精神疾患による休職率が高い「小学校の先生」、改善の兆し見えず…先生たちを追い詰める"悪しき習慣"がメンタル不調を引き起こしている

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悩んでる女性
文科省によれば公立学校教育職員の精神疾患による病気休職者は7087人と高止まりしている(写真:mits / PIXTA)

近年、教員のメンタル不調や休職が増加し続けています。この状況は、単に「忙しい」「業務が多い」という表面的な問題では片づけられません。私は現場の教師として四半世紀、また講演や研修を通じて多くの先生方の声に向き合ってきました。

そこで確信しているのは、教員のメンタル不調の根源には、「境界線の崩壊」と「過剰な親切の文化」があるということです。この構造は、教師の心をすり減らすだけでなく、実は子どもの主体性も奪っています。

メンタル不調の背景にあるのは“境界線の曖昧化”

文部科学省によると公立学校教育職員の精神疾患による病気休職者は7087人と、前年度から32人減少したものの改善の兆しが見えません(文科省「令和6年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」)。

特に小学校教員は、全体の約半数と精神疾患による休職率が最も高くなっています。理由はさまざまですが、現場で最も強く感じるこの問題の本質は「忙しさ」よりも “境界線の曖昧化” にあります。

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