精神疾患による休職率が高い「小学校の先生」、改善の兆し見えず…先生たちを追い詰める"悪しき習慣"がメンタル不調を引き起こしている

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1. 「学校の役割」の線引きを組織として共有する
教師が個人で判断すると摩耗します。学校全体で「ここまで」「ここから先は別の支援」という線引きを明確にする必要があります。
2. “子どもが自分でやる余白”を意図的に残す
手伝いすぎない。説明しすぎない。先回りしすぎない。これは子どもの自信を育て、教師の負担も大きく減らします。
3. 管理職と同僚が「助けを求める文化」をつくる
「迷惑をかける」ではなく「助けを求めることは専門職としての技能」という文化づくりが不可欠です。

境界線を引くことは「冷たさ」ではなく「愛」

教師のメンタル不調は、努力不足や気合の問題ではありません。境界線が曖昧なまま、「何でも学校が対応するべきだ」という空気が残り続ければ、どれだけ教員数を増やしても、根本的な解決にはつながりません。

境界線とは、愛であり、安全であり、互いを守る構造です。そして「不親切」とは、「あなたを信じている」という最高のエール。

私はこれからも、子ども・保護者・教師がそれぞれの役割を尊重し合える仕組みを、現場から丁寧に提案していきたいと思います。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
松尾 英明 千葉県公立小学校教員

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まつお ひであき / Hideaki Matsuo

「自治的学級づくり」を中心テーマに千葉大附属小などを経て研究し、現職。単行本や雑誌の執筆のほか、全国で教員や保護者に向けたセミナーや研修会講師、講話などを行っている。学級づくり修養会「HOPE」主宰。ブログ「教師の寺子屋」主催。著書に『不親切教師のススメ』『不親切教師はかく語りき』(ともにさくら社)

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