教員も実感、小学校で「暴力行為18.6%増」過去最多の深刻《叱れない教師・親、理不尽に怒り散らす大人…》社会に広がる"叱れない構造"が影響か

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子ども同士のトラブル
「暴力行為」の内容は子ども同士のトラブルだけでなく、教師への暴力も(写真:Fast&Slow / PIXTA)

文部科学省が10月に公表した「児童生徒の問題行動・不登校等に関する調査(2024年度)」によると、全国の学校で発生した暴力行為の件数は12万8,859件(前年比18.2%増)と過去最多を記録しました。

なかでも小学校は8万2,997件(同18.6%増)と急増し、子ども同士のトラブルだけでなく、教師への暴力も目立っています。

「不登校の増加」は毎年のように取り上げられますが、「暴力の右肩上がり」は十分に語られていません。背景には、しつけ不足というよりも、社会全体に広がる「叱れない構造」があると、私は現場で感じています。

叱れない教師…処分文化が抑止力を奪った

今、多くの教師は、指導そのものよりも「指導がどう受け取られるか」を恐れているように思います。

子どもに強く注意しただけで「不適切指導」とされ、軽く腕をおさえただけでも「体罰」と認定される。しかもその一方で、子どもが教師を蹴ったり殴ったりしても、「発達特性がある」「家庭に事情がある」といった理由で、教師の側だけが「黙って耐える」ことを求められる。子どもの側にはほとんど公式な責任が問われません。この不均衡が、現場の抑止力を奪っています。

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