公立小「学習塾版のユニクロ」との連携で学びが激変、勉強に自信のない子たちが「算数が好きになった」「満点を取れた」…教員は指導をどう変えた?
昨今、放課後の学習支援や公営塾の運営などに民間の力を借りるケースは、珍しいものではなくなった。しかし、埼玉県戸田市立笹目小学校(以下、笹目小)が踏み出した一歩は、そうした「支援」の枠組みを超えた、公教育における異例の挑戦といえる。
同校は、2025年11月より、小学5年生の算数の授業に民間塾の「デジタル教材」と「指導ノウハウ」を本格的に導入した。補習としてではなく、日々の授業に民間の力を取り入れたのである。
「学習塾版のユニクロ」を選んだ理由
同校がパートナーとして選んだのは、教育スタートアップ企業「コノセル」だ。同社は「学習塾版のユニクロ」をコンセプトに「高品質な教育を誰もが驚くような価格で受けられる世界」を目指し、ICTを活用して小中学生向けの個別指導塾「コノ塾」を運営している。
創業者の田辺理氏は、オンライン学習サービス「スタディサプリ」の元事業責任者であり、教育におけるデジタル活用に深い知見を持つ人物だ。独自の「デジタル教材」と、学習データを活用した「人による伴走」を掛け合わせたコノ塾の指導モデルは支持を集め、2020年の創業から5年の間に115教室を展開するまでに成長した(2025年12月現在)。
しかしなぜ、公立小学校がこうした教育スタートアップ企業とタッグを組むに至ったのか。その背景には、「一斉授業」だけでは解決が難しい学校現場の課題があった。


















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