公立小「学習塾版のユニクロ」との連携で学びが激変、勉強に自信のない子たちが「算数が好きになった」「満点を取れた」…教員は指導をどう変えた?
笹目小ではここ数年、「全国学力・学習状況調査」などの回答状況に課題が見られ、子どもたちが勉強に自信を持ちにくい状況が続いていたという。
そんな矢先、同校教頭の勝俣武俊氏が、コノセル主催のイベントに参加。自社のノウハウを学校現場の課題解決に生かしてほしいという考えから、「データを活用した個別最適な指導」に関心のある教員を対象に、同社の指導体制を共有するイベントだった。
子どもたちはデジタル教材で学習を進め、講師は子どもたちのつまずきをフォローしていく。教室見学で一斉授業とは異なる学習支援の様子を目の当たりにした勝俣氏は、塾長に「何がやりがいなのか」と尋ねた。すると、こんな答えが返ってきたという。
「以前は高校教員でした。当時は『自分が作った授業』で生徒の反応を見ることが喜びでしたが、今は『学びを子どもと一緒に作ること、学びのサポートができること』が何よりうれしいと感じます」
勝俣氏は、「この教育観こそ、われわれ学校教員が求められているものではないか」と思ったという。そして、同社の取り組みを校長の杉森雅之氏に報告した。
「一斉授業の限界も感じていた」
杉森氏も、「人の介在も重要となるこのデジタル教材なら、教員の余裕を生み出しながらも深い学びにつなげられるのではないか」と思ったという。学校の実態も踏まえ、5年生の算数でコノセルのノウハウを導入することを決めた。「5年生の算数は抽象度が高くなり、内容が数学に近づいてきます。子どもたちに『難しい』という思いを持ってほしくないと考えました」と杉森氏は説明する。
「一般的に塾に抵抗を感じる教員はいるので、教員のモチベーションへの影響は気になった」というが、現場の反応はポジティブだった。
5年生の担任教諭を務める加藤剛氏は、「正直言うと不安はありましたが、誰もやったことがないものにチャレンジすることは、マイナスなことではありませんので、まずは挑戦してみようと思いました」と振り返る。
算数専科教諭の前田直文氏も、こう話す。
「勉強に自信が持てない子が多く、一斉授業の限界も感じていました。一斉授業では、意思表示ができない子はわからないところがあってもそのままになってしまいますから。自分のペースで進められるデジタル教材は、本校の児童に合うのではと思いました」


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら