マンダムのMBO「3度のTOB価格引き上げ」で決着までの顛末…KKRとは決別も、創業家・CVCが非上場後に背負うプレッシャー
「ギャツビー」「ルシード」などメンズ化粧品ブランドを擁する老舗企業マンダムの非公開化をめぐる攻防は、3度目のTOB(株式公開買い付け)価格引き上げ、8回目の期間延長を経て、ようやく決着しそうだ。 2月25日を期限とするTOBは、今度こそ成立が見込まれる。
マンダムは2月9日、TOB価格を1株3105円へと引き上げると発表した。東洋経済の取材に応じたマンダムの創業家出身で会長の西村元延氏は、「本来の目的(中長期的な企業価値の向上)に向かって邁進できる環境が整った」と語った(詳細なインタビュー記事はこちら)。
そもそも創業家とCVCキャピタル・パートナーズ(以下、CVC)がMBO(経営陣による買収)を発表したのは、昨年9月のことだった。
当初はTOB価格を1株1960円に設定していたが、投資ファンドのひびき・パース・アドバイザーズ(現在の3D・ひびき・パース・あおば・ストラテジー)が「質問状」を公表。「提示価格は企業価値を著しく低く見積もっている」と厳しく指摘した。
さらに旧村上ファンド系の投資会社や、村上世彰氏の娘の野村絢氏らも公然とMBOに異議を唱えた。野村氏らはマンダム株を市場で買い集め、株価は急上昇していった。最終的な保有比率は20%超に達している。
野村氏らへの対抗策として、マンダム側は買収防衛策の導入を決めた。その後、創業家とCVCはTOB価格を1株2520円に引き上げた。これが1度目のTOB価格変更だ。
度重なるTOB価格変更
野村氏らもTOBに応募する意向を示したため、これで一連のディールは決着するものと思われていた。ところが、TOB期間の終了間際、2025年末になって事態は急変した。創業家とCVCに対し、アメリカの投資ファンド大手、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(以下、KKR)が割って入ったからだ。
マンダムは買収防衛策を導入する過程で追加的なマーケットチェックを行っており、複数のファンド等に対して、自ら提供した機密情報に基づいて、買収の可能性を検討するように促していた。
12月、KKRが法的拘束力のない買収提案書をマンダムに送付したことが表面化。「買い付け価格は1株2800円以上」と報道が流れると、それまで創業家・CVC側の提示した2520円付近で安定していた株価は、期待を織り込む形で一気に上昇した。




















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