「在職老齢年金」見直しでシニアの労働意欲は増すか。年金制度改革は二転三転したが…

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オフィスで働くシニアの女性
(写真:saki / PIXTA)
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二転三転した年金制度改革法案はようやく衆議院を通過し、今国会で成立する見通し。年金制度改革は5年に1度、人口動態などを加味して年金財政の健全化と制度の持続性確保のために行われる。今回はそれに加えて、人手不足対策も盛り込まれた。

パート従業員などの厚生年金加入要件の緩和は最たるものだ。現在は基本給と諸手当が年間106万円を超えると厚生年金への加入が義務づけられ、保険料負担が発生する。これを避けるため、106万円を超えないよう働き控えを行うというのが「年収106万円の壁」だ。今回の改正でこうした年収要件が撤廃される方向となった。

在職老齢年金の「壁」

高齢者の労働意欲をそぐといわれる在職老齢年金の「壁」にも見直しが入った。在職老齢年金とは、60歳以上の人が働きながら年金を受け取る制度。ただし、月の給与と厚生年金給付額の合計が51万円(2025年度)を超えると、年金の一部が支給停止(減額)される(基礎年金は対象外)。

この51万円が「壁」となり、高齢者の働き控えを招くといわれてきた。そこで26年4月から基準が62万円に引き上げられることになった。

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