「高所得者は負担増!」厚生年金《上限引き上げ》で老後設計の常識はどう変わる?

年金改正法案が13日に可決し、厚生年金保険料の算定基準となる標準報酬月額の上限の段階的引き上げが決まりました。この見直しにより、およそ年収1000万円以上の人は、再来年から保険料負担が増加する見込みです。今回の引き上げによって具体的にどの程度の負担増となるのか、また受け取れる年金額がどう変化するのかについて解説します。
厚生年金保険料の上限が引き上げへ
会社員などの厚生年金保険料は、給与などをもとにした「標準報酬月額」を基準に決まっています。収入の高い人ほど保険料が高くなるように区分が設けられており、現状では65万円が上限です。
区分の最上位に該当するのはおおよその月収が65万円の場合で、それ以上の高所得層では保険料が一律になっています。
この上限が再来年以降、段階的に引き上げられます。上限額は2027年から2029年まで毎年、65万円→68万円→71万円→75万円へ変更されます。つまり、上限区分に該当する月収は3年間で10万円アップすることになります。
引き上げにより、特に高所得層の保険料負担は増加します。これまでの引き上げのボーダーとなる標準報酬月額65万円とは、現状では賞与を除く賃金の月額が63.5万円以上の場合の区分です。年収換算するとボーナスなしで780万円相当、ボーナスが150万円ずつ年2回支給されるとして換算すると年収1080万円相当にあたります。
つまり、ボーナス込みでおよそ年収1000万円超の人は、今回の見直しによって厚生年金保険料が高くなる可能性があります。
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