プロ野球戦力外通告を受けた20代夫婦の現実 夢に寄り添ってくれた妻を後悔させたくない
球春到来。今年も、またプロ野球が始まる。多くの有望新人選手が期待に胸を躍らせている季節。一方、そんな華やいだムードに背を向けて新たな人生に旅立つ者たちもいる。
萬谷美佐さんは、昨年までプロ野球選手の妻だった。
ふたりの夢が叶うとき
美佐さんが夫・萬谷康平さんと付き合い始めたのは、今から8年前。友人に誘われた食事会がきっかけだった。当時の美佐さんは大学3年生。子供の頃からのあこがれである小学校の先生を目指していた。康平さんもプロ野球を目指して大学野球で投手として活躍していた。
「絶対、プロ野球選手になる!」
熱く夢を語るその真っ直ぐなところに、美佐さんは好感をもったという。大学卒業後、美佐さんは夢を叶えて、大阪市内にある公立小学校の先生に、康平さんは、夢を追い続けて社会人野球へと進んだ。その後も交際を続けたふたりは、次第に結婚を意識するようになった。
そんなふたりの人生が大きく動き始めたのは、交際4年目。ともに25歳の秋だった。社会人野球で頭角を現し始めた康平さんは、ドラフト会議で横浜DeNAベイスターズに指名される。子供の頃から願い続けたプロ野球選手になる夢が叶ったのだ。
しかし、それは世間が思う「莫大な契約金」や「億単位の年俸」とはかけ離れたものだった。
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