ロシア軍は1年以上にわたりウクライナで消耗戦を続けてきたが、都市の拠点を1つも制圧できずにいた。
ところがこの消耗戦が、いよいよ実を結びつつある。軍事専門家や独立系の戦況監視団体によると、ロシアは今後数週間から数カ月のうちに3つの戦略的拠点を陥落させるとみられている。
南東部の町フリャイポレと、そこから北東約60マイル(約100キロメートル)の距離にあるポクロフスク、ミルノフラードの3拠点だ。これらを掌握すれば、ロシアは部隊を配備して今後の攻勢に向けた兵站を整えることが可能となるだけでなく、アメリカが仲介する和平交渉でも新たな交渉材料を手にできる。
「今、領土を明け渡したほうがよい」
専門家によると、過去1年間においてロシア軍の進軍が極めて遅かったことを踏まえると、ロシアがこれら3拠点を占拠しても制圧地域の急速な拡大に結びつく可能性は低い。
しかし、ロシアはこれら要衝の獲得を利用して、和平交渉の中で次のように主張してくる可能性がある。「進軍はゆっくりとしたものであっても避けられない。ウクライナはこれから血みどろの戦闘で土地を失うより、交渉で今、領土を明け渡したほうがよい」という主張だ。
ロシアは南東部のザポリージャ州で猛攻を仕掛けている。数年にわたり、この前線の一角を支えてきた町フリャイポレは、独立系団体の戦況図や、現地で戦っているウクライナ軍のドミトロ・フィラトフ大尉によると、ほぼ完全にロシア軍の支配下にある。
第1独立突撃連隊を指揮するフィラトフは先週のテキストメッセージで、フリャイポレ内部ではウクライナ軍がまだいくつかの建物を保持していると述べる一方、「町の大部分は完全に敵の支配下にあり」、そこにいる戦闘員の95%がロシア側になっていると付け加えた。
フリャイポレ(戦争前の人口は1万2000人)は、州都ザポリージャ市以外でウクライナ側が保持していた最後の都市の1つだった。フリャイポレの向こうには開けた野原が広がり、ウクライナ軍が身を守り、ロシア軍の進撃を阻む拠点にできる市街地はほとんどない。
フリャイポレの約40マイル(約64キロ)西では、鉄鋼で知られる人口約70万人の工業都市ザポリージャの郊外にロシア軍が迫っている。戦況図によると、ロシア軍は市の南側入口から約15マイル(約24キロ)の位置に迫っている。


















