高市政権発足でどう変わる? 防衛産業の熱波。防衛費拡大で関連企業は好業績、株価も好調

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海上を航行する海上自衛隊護衛艦「しらね」
(写真:zapper/PIXTA)
週刊東洋経済 2025年11/8号(防衛産業の熱波)[雑誌]
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「わが国として主体的に防衛力の抜本的強化を進めることが必要です」

女性として初の首相に就いた高市早苗氏は10月24日、国会の衆参両院の本会議で所信表明の演説を行った。

安全保障重視の姿勢を鮮明にしながら打ち出したのが、防衛関連費の拡大方針だった。すでに急拡大中だが、さらにアクセルを踏み込むというのだ。具体的には、防衛関連費を「GDP比2%」にまで引き上げる時期を、現行目標から2年早めて「今年度中」にするとした。

10月28日には、来日したドナルド・トランプ米大統領が首脳会談で高市氏に「防衛費を増やすと聞いている。アメリカからの装備品の調達に感謝する」と伝えた。併せて来日した米防衛大手ノースロップ・グラマンのキャシー・ウォーデンCEOは東洋経済の取材に「防衛支出拡大の明言は心強い。パートナーの日本企業が防衛事業への投資を拡大していることにエキサイトしている」と語った。

「5類型」の撤廃を目指す

高市氏は武器輸出のあり方も変えようとしている。日本維新の会と交わした連立政権合意書には、輸出制限緩和について明記した。現在、輸出できる装備品は殺傷力の低い、救難、輸送、警戒、監視、掃海の目的のものに限定するという「5類型」の規定がある。この撤廃を目指すという。

防衛相には、圧倒的な知名度と発信力を誇る小泉進次郎氏を据えた。小泉氏はさっそく最新鋭の護衛艦を視察し、「(海外への)トップセールスを強化していきたい」と発信した。

株式市場は高市氏の首相就任を待つことなく反応した。自民党総裁に選出された時点で、防衛産業の関連株価は軒並み急上昇。2023年度以降の防衛予算拡大に伴って上昇してきた関連株価が、高市政権下でもう一段上に行くとの期待感が膨らんでいる。まさに「熱波」ともいえる状況だ。

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