〈わずか2年で社長交代〉過去最悪1000億円赤字のニコン→巨額買収の大失敗、看板事業のカメラが収益悪化"光学機器の名門"病巣はどこにある?
ニコンが2月12日、社長交代を発表した。大村泰弘取締役兼専務執行役員(57)が、4月1日付で社長CEO(最高経営責任者)に昇格する。
三菱UFJフィナンシャル・グループのCFO(最高財務責任者)出身で、2024年から社長を務めてきた徳成旨亮社長COO(最高執行責任者、65)は代表権のある会長へ退き、馬立稔和会長CEO(69)は取締役となる。
今回のトップ交代は、わずか2年で行われた。光学機器の名門ニコンに何が起きているのか。
現CTO(最高技術責任者)である大村氏は、社長交代会見で「会社を変えなければならない今こそが好機。やってやるぞと自分を鼓舞している」と決意を表明した。
新体制の前に立ちはだかるのは、業績の立て直しだ。ニコンの今26年3月期は1000億円の営業赤字(前期営業利益24億円)という、過去最悪の水準に沈む見通しとなっている。
ドイツ社買収で大誤算
巨額赤字の主因は、23年に過去最大となる800億円超を投じて買収したドイツの金属3Dプリンター大手、SLMソリューションズ社の失速だ。
ニコンはこの買収により、半導体露光装置などで培ってきた複雑な機械を安定稼働させるノウハウを供与し、成長の柱に据える目論見だった。当初は、同市場が年率20%超で成長すると強気の見通しを立てていた。
しかし実際には自動車産業向けなどで想定より普及が進まず、市場成長率は鈍化。さらに安価な中国メーカーの台頭により競争が一段と激化した。社内からは「金属3Dプリンターは露光装置と構造こそ似ている反面、単価は桁違い。コスト管理の甘さが露呈している」との声も漏れる。
結果として今期、買収に伴うのれんや無形資産を中心に906億円の減損損失を計上。徳成氏は「買収価格が妥当ではなかった」と認め、自身と馬立氏の今期の賞与等を全額不支給とし経営責任を明確にした。




















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