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過去最大の巨額に上った防衛省の補正予算。それがむしろ、日本の防衛力や防衛産業を弱体化させてしまいかねない深刻な理由

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小泉進次郎氏が率いる防衛省の2025年度の補正予算案は過去最大となった(写真:Anadolu / Getty Images)

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高市内閣は「責任ある積極財政」のスローガンのもと18兆3034億円の巨額の補正予算(2025年度)案を閣議決定した。防衛省の補正予算は8472億円と巨額なものになった。政府は防衛費などの関連予算を27年度にGDP比で2パーセントに増やす計画だったが、高市首相は2年前倒して今年度中に実現する意思を表明しており、補正予算案が国会で可決・成立すれば、前倒しが実現することになる。

高市首相はこのような「ばらまき」にも見える予算編成が景気拡大につながると信じているのだろう。補正予算は6割以上を国債に頼っており、中長期的には国家と国防を弱体化させることになるのではないだろうか。

そもそも補正予算は、景気拡大に使うものではないはずだ。本来、当初予算(本予算)成立後に予想していなかった事態が発生して、当初予算では対応できないときに追加的に組まれるものである。例えば東日本大震災後やコロナ禍からの復旧や国民保護、個人消費の落ち込みを緊急避難的に下支えするためなどに使用されるものだ。

補正に不要不急が紛れ込む「邪道」

防衛予算で考えれば、為替の急激な変動で極端な円安になって原油が高騰し、当初の燃料予算では、艦艇や航空機などの燃料費が足りなくなる場合や、災害で派遣された自衛官の手当を含む救援関連の費用が発生した場合などだ。

本来、補正予算はこのような事情のためのものであるため、迅速に成立させざるを得ず、本予算と比べ編成期間が短い。緊急性が重視され、財務省などによる事業内容の精査が比較的甘くなりがちともいえる。

ただここに、不要不急の経費が紛れ込むこともある。財政法第29条では補正予算を「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出(当該年度において国庫内の移換えにとどまるものを含む。)又は債務の負担を行うため必要な予算の追加を行う場合」と規定している。

査定の甘い補正予算を「第二の予算」として財政出動に使うのは邪道ではないだろうか。

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