有料会員限定

ソニーグループが「隠れた防衛関連企業」といわれる理由、実は同社製のある汎用品がミサイルやドローンなどに欠かせないパーツになっていた

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
今年ドイツで行われた軍事や警察組織向け製品の見本市に出展されたソニーグループのブースには、軍事向けとみられる展示があった(筆者撮影)

特集「防衛産業の熱波」の他の記事を読む

防衛費の拡大を背景に防衛市場が活況だ。関連企業の売り上げや利益は急伸し、株価は高騰している。現場でいま何が起きているのか。死角はないのか。特集「防衛産業の熱波 防衛費43兆円の狂騒」で最前線をリポートする。

ファッションへの関心が高い層が通うようなセレクトショップでは、タフで機能的な軍用バックパックが人気だ。有名どころの1つに、アメリカのミステリーランチ社の製品がある。ブランド名は知らずとも、独特なY字型のファスナーを見たことがある人は少なくないだろう。各国の軍隊で実際に使用されているが、市販もされている。

軍用バックパックには欠かせないYKKのファスナー

世界で流通するこの手の軍用バックパックには欠かせない日本企業の製品がある。YKKのファスナーだ。軍用では、生地はアメリカ・インビスタ社のコーデュラナイロン、ファスナーはYKK、という仕様が一流メーカーの相場となっている。

あまり知られていないが、YKKでは過去に、ドイツ子会社がドイツの特殊部隊と共同で防水ファスナーを開発し、後に広くアウトドア分野に転用された歴史もある。それでも、海外の軍事見本市で筆者が取材したYKK関係者は「本社から(そうした)事実を伏せるようにと言われる」と不満顔だった。軍事に関わる売り上げについて世間にあまり知られたくないようだった。

筆者は30年以上にわたって国内外で防衛産業や各国軍の取材を続けているが、こうした姿勢は日本企業に少なからず共通しているように見える。自社サイトに、防衛省向け製品を載せない企業も多い。投資家や社会への説明責任を真摯に果たしているかという点で、疑問を抱かざるをえない姿勢だと筆者は考えている。

次ページ「意外」な大企業の代表格は?
関連記事
トピックボードAD