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1機わずか10万円の自爆ドローンに怯えるロシア軍兵士。ウクライナ軍部隊に従軍したカメラマンが見てきた現代戦争のリアル

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ウクライナ戦争の前線ドローン部隊の戦闘はほぼ室内で行われる(撮影:横田徹)

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軍事や防衛産業を語るうえで欠かせないキーワードとなったドローン。日本政府もドローンに充てる防衛予算を増やし続けている。その実態はどうなっているのか。ウクライナ軍に従軍した報道カメラマンの横田徹氏にリアルを聞いた。

――世界の紛争地を取材してこられました。

1997年のカンボジア内戦以降、30年近く世界各地で撮影してきた。アフガニスタンでは武装勢力タリバンに従軍した。ロシア侵攻後のウクライナにはこれまで7回入り従軍取材した。

戦時中に急発展するドローン部隊

――近著『戦場で笑う 砲声響くウクライナで兵士は寿司をほおばり、老婆たちは談笑する』(朝日新聞出版)、『FPV ウクライナ狂想曲』(笠倉出版社)ではウクライナ軍の前線を描かれました。

横田徹(よこた・とおる) 1971年生まれ。97年のカンボジア内戦、東ティモール独立戦争、コソボ紛争、アフガニスタン紛争、イラク戦争など数々の紛争、戦争を取材してきた。著書に『戦場中毒 撮りに行かずにいられない』(文藝春秋)がある (撮影:尾形文繁)

ウクライナ戦争の記録として詳しく書き残しておきたいと、こだわって書いたのがドローン部隊への従軍の場面だ。ドローンの存在が、戦争の前線を大きく変えていた。2022年にロシアが侵攻してから1年間ぐらいは、アメリカからの武器がどんどん入ってきたこともあり、ウクライナ軍にはロシアを押し返すような勢いがあった。しかし23年夏頃から雲行きが怪しくなった。武器が足りず、押され始めた。その頃をターニングポイントに、ドローン部隊が発展していった印象がある。

 

――戦争中に発展するのですか。

ウクライナ軍は開戦当初からトルコのバイカル社が開発した高性能ドローンを偵察で使っていたが、途中から攻撃にも使用するようになった。しかしロシア軍の防空網によって損耗し持続可能ではなかった。

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