
カエル型ドローンによる侵入
午後二時、健人は指示された通り、子供部屋同盟にアクセスした。子供テレビに映されたのは、どこかのビルの屋上だった。
冬晴れの青空の下、コンクリートの地面に小型の機体が置いてある。
おそらくドローンだが、その造形は異様だ。
というのも、見た目は青いカエルだった。
頭部では紫色の目玉が点滅を繰り返し、手脚では四基の小さなプロペラがゆっくり回転している。カエル型ドローンとでも言えばいいのだろうか。
ドローンはこれから上昇するのかと思ったが、逆だった。四つの脚が力を溜めるように縮み、腹が地面につきそうになる。
次の瞬間、カエルは画面から消えた。
強力なバネで弾かれるようにして、画面外まで跳び上がったのだ。
カメラ視点が切り替わる。上空から見た、都心の高層ビル群が映されている。跳躍したドローン視点の映像だ。
と、ドローンは急加速をして飛行を始めた。
高層ビル群や、高速道路や、鉄道や河川の映像が、瞬く間に後方へと流れていく。天空のジェットコースターにでも乗っているかのような映像だ。




















無料会員登録はこちら
ログインはこちら