侮ると危険すぎる「ドローン」のサイバーリスク 狙われるデータ、対策している企業はごく僅か
ドローンが社会的に広く認知されたきっかけは、2015年春に首相官邸で起こったドローン墜落事件と言っていいだろう。
さらに、当時の首相・安倍晋三氏が「3年以内にドローンを使った荷物配送を可能とする」と宣言したことから、同年12月には航空法が改正され、ドローンについてさまざまなルールが法的に明確になった。
これにより、ドローンの活用は、空撮好きなプロスーマーを中心とした娯楽利用から業務利用にシフトしたと言える。また、2022年12月の改正航空法の施行により、人がいるエリアでの目視外飛行のルール「レベル4」も定められ、さらに業務活用の幅が広がっていった。
産業活用の拡大で増大するサイバーリスク
現在、ドローンの業務活用は大きく3つに分けられる。1つ目が、空撮だ。これは観光地の集客用動画をはじめ、テレビドラマやバラエティー、映画などで皆さんも触れる機会が多いだろう。
2つ目は、作業代替。物流搬送、農薬散布、液剤吹き付け、消火などの用途がこれに当てはまる。
そして3つ目が、情報収集。ドローンの業務活用というと前述の作業代替が一般的には目立つが、実は活用の多くが情報収集である。デジタルカメラやその他のセンサーでデジタルデータを空中で収集する作業となり、測量、点検、リモートセンシングなど多くの用途で使われている。とくに最近では、土木DXや点検DXなど、DXにおけるデータ収集に使われるケースも多くなってきている。
しかし一方で、こうした産業活用の広がりにより、サイバーセキュリティのリスクも増大している。
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