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ヒューリックが「銀座の大家」として貫く独自開発、西浦三郎会長に聞く「銀座のこれからと、開発の要諦」

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西浦三郎ヒューリック会長
西浦三郎/にしうら・さぶろう 1948年東京都生まれ。1971年富士銀行(現みずほ銀行)入行。取締役副頭取を経て、2006年日本橋興業(現ヒューリック)代表取締役社長。2016年代表取締役会長(現職)(撮影:梅谷秀司)

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「銀座の大家」と呼ばれる不動産デベロッパーのヒューリック。同社は、銀座を「プライムエリア」と位置づけて開発に注力しており、約40棟ものビルを所有している。旧富士銀行(現みずほ銀行)の資産管理会社を前身とするヒューリックは、三井不動産など財閥系デベロッパーとは一線を画す独自の戦略を貫く。都心の中規模物件の開発・投資に特化し、銀座では高級旅館「ふふ」や高級シニアレジデンスを開業予定だ。

西浦三郎会長は「他社がやらないことをやらないと潰れる」と熱を込める。銀座でどのように独自の開発を進めていくのか。西浦会長に聞いた。

1人当たり単価は青山の5倍

――銀座とはどのような街ですか。

ロンドンやパリ、ニューヨークと並んで、世界一にぎやかな商業エリアだ。日本国内でも「○○銀座」と名前のつく地域があるように、銀座は商業を象徴する街でもある。ただ、世界の商業エリアと比較し、大規模なビルが少ない。大規模ビルは百貨店の銀座三越や松屋銀座、ギンザシックスくらいで、ほとんどが中小規模のビルだ。

東京の商業エリアには青山などもあるが、やはり銀座は富裕層の街だ。あるハイブランドに聞くと、顧客1人当たりの単価は青山の5倍だという。

――銀座の景気はどうですか。

非常によい。コロナ禍のときでも、銀座はテナントが動かず賃料を維持できた。ハイブランドの銀座での出店意欲は高い。

建築費が高騰し、金利も上がる中で、ビルの開発、建て替えは難しくなっているが、採算が合う開発ができるエリアは銀座や青山くらいだ。

以前からの建設業の人手不足に加え、国策で半導体工場の建設などに人手がとられてしまい、開発に当たってゼネコンやサブコンを確保するのが難しくなっている。建物を取り壊すにも「2年先でないと難しい」とゼネコンから言われることもある。個人的なコネクションでサブコンを先に確保するなどしながら、開発を進めているところだ。

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