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銀座ティファニービル「苦節8年」開発奮闘記。ビル3棟丸ごと建て替え、新スキームの資金調達

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7月11日に開業したティファニー銀座
2017年からビルの開発構想が練られ、7月11日に開業したティファニー銀座。ターコイズ調の外壁は、あいにくの薄曇りなどどこ吹く風のたたずまいだ(撮影:尾形文繁)

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高級ブランドがひしめく銀座5丁目交差点。銀座中央通りを挟んでギンザシックスと向き合うこの地に、宝飾ブランド「ティファニー」の旗艦店が7月11日に開業した。

銀座では5店舗目だが、規模はアジア最大だ。洒脱な内装に宝飾品と食器。4階には日本初進出となるティファニー監修のカフェも入る。思わずティファニービルと形容したくなるが、正式名称は「クロサワビル」。ビルの11階には、銀座の老舗地主でビルオーナーの黒沢不動産が事務所を構える。

この場所にはもともと、建て替え前のクロサワビルなど3棟が建っていた。一帯をまとめて建て替える一大プロジェクトは、ビルの取得から資金調達、施工まで容易ならざる事態に幾度となく見舞われた。銀座の新たなシンボルが誕生するまでの8年間の軌跡をたどった。

きっかけは不二家ビル

「隣のビルが売りに出ます。入札に参加しませんか」

時計の針を2017年春まで戻す。その⽇、黒沢不動産には、メインバンクを務めるみずほ銀行の副支店⻑と、みずほ信託銀行の担当者の姿があった。

クロサワビルの隣には、菓子メーカーの不二家が保有する不二家銀座ビルが建っていた。効率化の一環で不二家が売却を決め、メインバンクのりそな銀行が入札を主宰。情報を得たみずほは、クロサワビルと不二家ビルとの一体開発を持ちかけた。

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