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「空室ゼロ」の銀座、高級ブランドが怒涛の快進撃 新築ビルへの入居も続々内定するが、気がかりな「撤退」事例も

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銀座中心部
富裕層の購買意欲にインバウンド、そして円安を追い風に、銀座の街がかつてない活況に沸いている(写真:尾形文繁)

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銀座がかつてない活況を呈している。インバウンドの増加や富裕層の購買意欲の高まりによって高級ブランド店の業績が伸張。新規出店も相次ぎ、好立地の路面店はほぼ満室だ。世界中の「富」が集まる銀座の躍動は今後も続くのか――。関係者の動向を追った。 
【今後の配信予定】(タイトルは変更になる場合があります)
・銀座ティファニービル「8年越し」の開発奮闘記
・銀座の大家「ヒューリック」会長が語る投資術
・東京メトロが銀座の土地をひっそり買い漁る真意

「銀座で良い立地の区画は、空室がほとんどない」。長年にわたり銀座の不動産仲介に携わる、増田不動産研究所の増田富夫所長はそう話す。

銀座の商業が活況だ。不動産サービス大手のCBREの調査によれば、銀座のプライムエリア路面店舗の空室率は、2025年第1四半期時点で「ゼロ」になった。2016年に同社が調査を開始して以来、初めてだ。

目抜き通りに新店続々

銀座の路面店となれば、大通りなら月額賃料は1坪あたり10万円や20万円はくだらない。そんな区画に触手を伸ばすのは世界的な高級ブランドたち。メインストリートである銀座中央通りでは、既存ビルのテナント入れ替えや新築ビルの竣工時にできた区画を、さまざまなブランドが押さえにかかっている。

銀座中央通りのテナント出店動向

7月11日、ギンザシックスの向かいにティファニーの旗艦店が開業した。地下1階から地上13階のうち10フロアに入居し、日本法人の本社機能も置かれる予定だ。

その近隣では、ヒューリックなどが建て替えを進める銀座コアに、キーテナントとしてセリーヌとモンクレールが入居を検討しているようだ。北側の2丁目で建て替えが進む銀座貿易ビルにも、エルメスとディオールが一時出店を検討していた。

中央通り以外でも、高級ブランドが開業を控える。交差する晴海通り沿いに建つヒューリック数寄屋橋ビルには、2023年に撤退したカジュアルブランドのGAPに代わり、カルティエが大型店を出す。時計店が立ち並ぶ並木通り沿いで三井不動産が3月に取得した丸源31ビルには、スイスの高級ブランドグループであるリシュモン系のブランドが内定した。

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