「空室ゼロ」の銀座、高級ブランドが怒涛の快進撃 新築ビルへの入居も続々内定するが、気がかりな「撤退」事例も

「銀座で良い立地の区画は、空室がほとんどない」。長年にわたり銀座の不動産仲介に携わる、増田不動産研究所の増田富夫所長はそう話す。
銀座の商業が活況だ。不動産サービス大手のCBREの調査によれば、銀座のプライムエリア路面店舗の空室率は、2025年第1四半期時点で「ゼロ」になった。2016年に同社が調査を開始して以来、初めてだ。
目抜き通りに新店続々
銀座の路面店となれば、大通りなら月額賃料は1坪あたり10万円や20万円はくだらない。そんな区画に触手を伸ばすのは世界的な高級ブランドたち。メインストリートである銀座中央通りでは、既存ビルのテナント入れ替えや新築ビルの竣工時にできた区画を、さまざまなブランドが押さえにかかっている。

7月11日、ギンザシックスの向かいにティファニーの旗艦店が開業した。地下1階から地上13階のうち10フロアに入居し、日本法人の本社機能も置かれる予定だ。
その近隣では、ヒューリックなどが建て替えを進める銀座コアに、キーテナントとしてセリーヌとモンクレールが入居を検討しているようだ。北側の2丁目で建て替えが進む銀座貿易ビルにも、エルメスとディオールが一時出店を検討していた。
中央通り以外でも、高級ブランドが開業を控える。交差する晴海通り沿いに建つヒューリック数寄屋橋ビルには、2023年に撤退したカジュアルブランドのGAPに代わり、カルティエが大型店を出す。時計店が立ち並ぶ並木通り沿いで三井不動産が3月に取得した丸源31ビルには、スイスの高級ブランドグループであるリシュモン系のブランドが内定した。
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