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<識者が語る今後の北朝鮮>ロシアとの関係はウクライナ戦争終結で薄くなる、トランプとの首脳会談の可能性あるが成果は期待薄

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9月に北京で会談した北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記(左)と、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)。両国関係と今後の北朝鮮はどうなるのか (写真:Contributor/Getty Images)
ロシアとの軍事分野を含む全面的な協力・実務関係を拡充させている北朝鮮。最高指導者である金正恩・朝鮮労働党総書記は2025年に訪中も行い、それまで「関係がよくない」とされてきた中朝関係の改善もアピールした。経済状況も、訪朝した在日コリアンや中国人などからは「これまでにないよい状況」との話も聞こえてくる。
25年の北朝鮮はどうだったか、また翌26年の北朝鮮はどうなるのか。北朝鮮に留学経験があり、朝鮮半島問題では世界的にも著名な識者である韓国・国民大学のアンドレイ・ランコフ教授に聞いた。

ロシア派兵で約1.5兆円を得たか

――2025年1年間の北朝鮮や金総書記の動向は、ランコフ先生にはどう映りましたか。ウクライナ戦争には、韓国当局の情報によれば約1万2000人の兵士を派兵したと推定されています。

北朝鮮の立場から見れば、25年は大きな成功だったと言えます。彼らはロシアへの軍需物資の輸出も多く行い、ウクライナ戦争へ派兵さえしました。派兵に対する見返りをどの程度受け取ったのかはわかりませんが、間違いなく相当な見返りがあったことでしょう。

北朝鮮がロシアとの軍事協力で得た資金に関する推定値には、かなりの開きがあります。最少で50億ドル(約7800億円)、最大で200億ドル(約3兆1200億円)という主張がありますが、私が見る限りでは100億ドル程度(約1兆5600億円)が信憑性のある数字だと思います。いずれにせよ、これは北朝鮮にとって、長い間得ることができなかった莫大な資金です。

それだけでなく、北朝鮮は2020年頃には深刻に思えた事実上の国際的孤立状態から、ついに抜け出すことができました。金正恩が25年9月上旬、中国の習近平・国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領と共に北京の天安門広場の楼閣で写真を撮ったことは、このことをよく示しています。

――国内状況はどうでしょうか。

国内での金正恩の政治は、数年前からの政策を引き続き持続させています。住民に対して監視を強化する傾向で、鎖国政治も強めています。

ロシア人観光客や留学生らが北朝鮮に入国しましたが、数は多くなく、また彼らに対する監視は非常に厳格です。ほかの国の国民は依然として北朝鮮を訪問できず、外交官に対する監視と統制はコロナ以前よりもさらに深刻になりました。

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