
今週は「中銀ウィーク」であり、アメリカではFOMC(連邦公開市場委員会)、日本では日銀金融政策決定会合が開催されたが、結果としてはいずれも金融政策は据え置かれた。
FOMCでは、本来はFRB(連邦準備制度理事会)議長の判断を尊重するはずのFRB副議長とFRB理事の2人が0.25%ポイントの利下げを主張し、反対票を投じた。2人のFRB理事から反対票が出たのは1993年以来、32年ぶりの珍事であったが、パウエル議長は、異なる意見が出るのはよいこととして、意に介する様子はなかった。
市場が気にする9月からの利下げサイクル再開についても、大きなヒントは出さず、経済指標を見守る姿勢が示された。
ただし今回、パウエル議長は数ある経済指標の中で、あえて「失業率」に注目していることを示した。雇用統計に対する市場の注目はさらに高まるだろう。次回は8月1日金曜日に発表される。
日銀会合も大きな動きはなかった。日本では2四半期連続のGDP(国内総生産)マイナス成長の可能性がある中、政局をめぐる不透明感も強く、日銀としては当面は様子見の時間帯となるだろう。
日本株の「3つのポイント」
2つのイベントを通過した中、日本株は今後どのような展開となるだろうか。
日経平均株価に関しては3月の本連載記事で、目先は厳しいものの「先行きは明るい」と書いた。その根拠として①米国株の強さ、②日本株の需給改善、③日本企業の業績の伸びについて解説し、年末の日経平均4万2000円という予想をメインシナリオとして提示していた。
あれからアメリカでは4月2日の相互関税発表、米中対立のエスカレーションと緩和、イランとイスラエルの地政学リスク、日本では財政リスクによる超長期金利の急上昇、東京都議会議員選挙と参議院選挙での与党の大敗など、さまざまなリスクイベントが起こった。
今回は、日本株を取り巻く状況をあらためて精査し、年末予想のメインシナリオを微修正する。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら