厳しい党派対立が続くアメリカだが、公的年金や高齢者向け公的医療保険(メディケア)といった高齢者向けの社会保障は、例外的に政争に巻き込まれにくい。国民の支持が強く、2大政党が世論を刺激したくないからだ。しかし「安全地帯」にあるからこそ財政再建の議論が先送りされ、危機の芽が放置されている。
高齢者社会保障は論争の対象外
10月に始まったアメリカの政府閉鎖は、1カ月を超える長期戦となった。予算をめぐる2大政党の対立が原因だが、高齢者社会保障は論争の対象外だった。
医療保険をめぐっては、現役世代への保険料補助の延長や、低所得者向け公的医療保険(メディケイド)の歳出削減の是非が焦点になった。トランプ政権で公的医療保険を担当する部署の責任者であるオズ氏は、メディケアを「数少ない超党派の支持がある施策」と位置づけ、「予算をめぐる政争からは無縁だ」と明言したほどだ。





















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