高知県の老舗豆腐店に設置された自販機
「自動販売機の豆乳が売り切れていますよ」
そう言いながら、一人の女性がお店の中に入ってきた。「いつもは自動販売機で買っているんですけど……」と店舗で豆乳を買った彼女の言葉に、「しもだお豆腐店 felille bois(フェリル ボア)」の4代目社長・下田知加さんはおもわず顔をほころばせた。
「自動販売機で買ってくださっている方を見たのが初めてだったんで、私の知らないところで、うちの豆乳を買ってくださっている方がいるんだなあと感激しました」
高知県で最も歴史のある豆腐店の前に設置された自動販売機。決して交通の便が良いとは言えない郊外にありながら、毎日約20本の豆乳が売れる。なぜ創業118年の老舗は自動販売機での販売を始めたのか。なぜ地域の人に支持されるのか。その答えは、4代にわたって守り続けてきた“味”にあった。


















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