
1980年代に放送されていた、白塗りのおばちゃんたちが「ケンミンの、焼ビーフン!」と叫びながら練り歩くCM(写真提供:ケンミン)
日本は自販機の設置密度が世界一の「自販機大国」である。最近は刺し身やケーキまで並び、進化が加速している。本連載では各地の個性豊かな自販機とその裏側を紹介する。
第4回は関西を中心に展開する「ケンミン」の自販機を取り上げる。
思わず吸い寄せられる“真っ黄色”の自販機
売上高3500万円──それは、ある冷凍食品自販機が叩き出した驚きの数字だ。販売しているのは、焼きビーフン。わずか1台、投資額150万円からスタートし、3カ月で初期費用を回収。そして3年後には設置台数21台、売上は3500万円へと拡大した。
なんじゃこりゃ?
昨年夏、北大阪急行電鉄 桃山台駅の改札を出ると、真っ黄色の派手な自動販売機が目に入った。近づくと、下部に「ビーフン直売店 ケンミン」の文字。それを見た途端、幼い頃にテレビで見た謎のCMが脳内再生された。顔を白塗りしたおばちゃんたちがビーフンの皿を持ち、「ケンミンの、焼ビーフン!」と叫びながら練り歩くシュールな映像だ。

北大阪急行電鉄 桃山台駅の改札前に設置されたケンミンの自動販売機(筆者撮影)
あのケンミンの焼ビーフンが自動販売機に? しかも冷凍食品で、レンジで加熱すれば食べられる……だと!? 3時間耐久の取材終わりで、晩ごはんを作るエネルギーが1メモリも残っていなかった筆者にとって、これは救いかもしれない。
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