「なるほど、比べる対象が違ったのかと。僕らは冷凍食品感覚で考えて、『もうちょっと安いほうがいいんじゃないか』と思っていたんです。でもコンビニ弁当やお昼ごはん、晩ごはんのおかずと考えたら、250円は全然高くなかった。『こういう感覚で買われていくんだな』と納得しました」(田中さん。以下、「」内はすべて)
手がかからず、ド派手にできた「ど冷えもん」
冷凍ビーフンの自動販売機としてケンミンが選んだのは、サンデン・リテールシステム(以下、サンデン)の『ど冷えもん』という機種だ。元々、アイスクリームなどに使われていた冷凍自動販売機の改良版である。
サンデンは非接触が推奨されるコロナ禍、冷凍食品の自動販売機の営業攻勢をかけていた。営業トークのひとつとして、「クライアント好みのデザインにする」ことを約束しており、だから、焼ビーフンのパッケージカラーそのままの、派手な黄色の自動販売機が実現したのだ。

自動販売機を設置するうえでは、キャッシュレス決済機能も搭載した。交通系カード、PayPayなどのQR決済、クレジットカードも使える。3~7%の手数料をとられてしまうが、「このご時世、やらないと売れないかも」と決断した。
けれど1年前に調べたところ、6:4くらいの割合で、現金払いの客が多かったそうだ。
最近増えてきた、デジタルサイネージなどは付けていない。付けると、流す動画が必要だからだ。コロナ禍で売り上げが落ち込んでいる状況で、「そこまでは手間をかけたくないし、かけられない」状況だった。
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