ケンミン「コロナ禍で直営レストラン売上激減」で始めた自販機事業が大ヒット→売上高3500万まで伸ばした背景にある「3つの商機」の正体

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けれど2022年、救世主が現れる。フリーランスで、「一定のマージンをとって、商品の補充とお金の回収を請け負いたい」と提案してきた人がいたのだ。その人が稼働可能な範囲ということで、神戸電鉄谷上駅前と、神戸東灘郵便局にも自動販売機を設置した。

加えて2023年には、駐車場を運営する企業から願ってもない申し出があった。

「自動販売機本体は弊社で購入して、ケンミンさんから商品を仕入れて販売したい。ケンミンさんは、商品供給費用と本体のリース代を負担してくれませんか」と提案してきたのだ。

この提案を受け入れ、東京の目黒区、港区で一気に10カ所、冷凍ビーフンの自動販売機が設置された。

だが売り上げはいまひとつ、いや、いまみっつだった。

小豆沢2丁目の『三井のリパーク』に設置されている自動販売機(写真提供:ケンミン)

オフィス街や繁華街の近郊では売れない

なぜ東京では売れなかったのか。田中さんの推測では、1つは、住宅地ではなく、オフィス街や繁華街の近郊が中心だったことではないかという。ケンミン本社は近隣住民が歩いて、そして丹波篠山工場は、市内に住む人が車で訪れやすい場所にある。

冷凍食品の、「溶けずに持って帰れる距離」「レンジで温めなければならない」という特性を考えると、オフィス街や繁華街の近郊は不利だったのだ。これを裏付けるように、住宅地の中に設置した目黒では、売れないなかでも比較的健闘したそうだ。

実は、東京で売れなかったのにはもう1つ原因があったのだが、それは後編に詳しく書こう。

丹波篠山工場には現在、4台の自動販売機が設置されている(写真提供:ケンミン)
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