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日産の新型「リーフ」、国内発表からわずか1日でトヨタに抜かれた基本性能/経営再建に向けた「世界戦略車」にただよう不安の声

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日産が8年ぶりに全面刷新した新型EVの「リーフ」。10月17日から受注を開始し、来年1月の納車を予定する(記者撮影)

「トヨタにしてやられた――」

日産自動車は10月8日、電気自動車(EV)の新型「リーフ」の国内発表会を開いた。そのわずか1日後、開発現場ではそんな声が上がったという。翌9日、トヨタ自動車が発表したEV「bZ4X」の一部改良。その基本性能や価格設定がリーフを凌駕するものだったからだ。

2010年に世界初の量産型EVとして投入されたリーフは、日産を象徴する車種の1つだ。今回は、2代目リーフを発売した17年から8年ぶりとなるフルモデルチェンジを実施、従来のハッチバックからクロスオーバー型のEVとして全面刷新した。

経営再建へ向けた戦略車種の第1弾

深刻な経営危機に陥る日産にとって、欧米日の主要市場に投入するリーフは、経営再建に向けた世界戦略車の第1弾として大きな期待を担っていた。

「この車が市場で受け入れられることが、日産復活のトリガーの1つになると信じている」。国内販売を担当する杉本全・執行職は、8日に開かれたリーフの国内発表会でそう力強く報道陣に語っていた。

3代目リーフの最大の売り文句は、「磨き上げたEV性能」だ。

容量78kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は最大702kmを実現した。従来モデルの最大450kmから5割引き上げられ、8日時点では国内メーカーのEVで最長となった。

リーフを開発したエンジニアによれば、「航続距離で700kmの大台を超えることにあえてこだわった」と言う。これまでは航続距離の短さや充電時間といった「EV購入の壁」によってEVの普及は進まなかった。そうした顧客の不安を払拭することを狙った。

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