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〈匿名座談会〉NTT東、ドコモ、データ、旧コムの現役社員やOBが語るホンネ。大規模改革で主力会社の地位や人事、仕事はこう変わった

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NTTグループの現役社員やOBが現状について赤裸々に語った(画像:bino/PIXTA)

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近年、組織や人事制度の見直しをはじめ、構造改革が続くNTTグループ。
NTTは1985年の民営化後、1988年にデータ通信(NTTデータグループ)、1991年に移動通信(NTTドコモ)が分離された後、1999年にNTT本体がNTT持ち株会社、NTT東日本・NTT西日本、NTTコミュニケーションズ(コム=現NTTドコモビジネス)に再編成された。
もともと、東西やコムがNTTの“直系”とされてきたが、モバイルの普及を背景にドコモが稼ぎ頭になり、足元ではNTTデータグループがNTT全体の海外向け法人事業を担う形で高成長領域に位置づけられている。実際、NTTは2020年にドコモを、2025年にNTTデータグループを完全子会社化し、主力事業会社を再結集させている。
大規模な変革が進むNTTグループの現状について、現場の社員らはどのように受け止めているのか。主力事業会社の社員やOBに本音を聞いた(各社員・OBへの個別取材を基に座談会形式で構成)。

 

[参加者PROFILE]
NTT東日本・中堅社員・・・東中堅
NTT東・若手社員・・・東若手
NTTドコモ・ベテラン社員・・・ドコモベテラン
旧NTTコミュニケーションズ・中堅OB・・・コム中堅OB
NTTデータグループ・中堅社員・・・データ中堅

飲み会では「ダイナミックループ一本締め」

――NTTグループは多くの事業会社に分かれています。同じグループでも会社ごとに社風が違いますね。

東中堅:東はNTTの代表といったイメージで見られてきたと思うけど、おっとりとした人が多く、商社のようなガツガツした人は少ない印象かな。地域に根差した事業を行う会社なので、以前は、新卒で入社すると地方支店に2~3年勤務してから本社に上がるという流れが一般的だった。地域の行事に参加して地元の人たちと関わったり、支店内で飲み会のセッティングをやったりして、社内調整的なお作法を学んだ。

ただ、地方配属中に転職する若手が多く、最近は入社1年目からの本社配属も増えている。個人的には、社内調整を進めるうえで社員の共通土台が存在するのは大きいので、最初からいきなり本社配属はどうなのかな、とも思ってしまう。あとは“半分公務員”のように扱われていて、取引先との飲み会のセッティングなどの許可が厳しいのも特徴だ。

東若手:確かに事業がNTT法などで縛られているので、NTT東西は公務員のように、ルールには敏感だと思う。新サービスをやろうにも、「法律上できないのでは」となって止まることもある。

社員は安定志向で、ジェネラリストが多いように感じる。年配の人はNTTの“長男坊”という意識の人が多く、主力事業会社では(NTTのシンボルである)「ダイナミックループ」が長年ロゴに入っていたのが東西で、NTTを背負う自負が強いと感じる。飲み会の締めで、両手でダイナミックループのような弧を描く「ダイナミックループ一本締め」という文化があるくらいだ。ただ、2000年代に普及した光回線の需要が一巡し、景気のよかった時代を知らない私のような世代からすれば少し距離感もある。

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