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急成長のデータセンター事業に「新たな一手」のNTTデータグループ、 持続可能な投資体制の構築が課題に

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REITの対象となったアメリカの施設。NTTデータグループはデータセンター事業で世界第3位のシェアを誇る(写真:NTTデータグループ)

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軌道に乗った資産は手放し、譲渡益を新たな投資へと回す――。

NTTグループが巨額投資を継続し、足元で急成長を遂げているのがデータセンター(DC)事業だ。世界でDCを展開しているNTTデータグループは7月14日、シンガポール市場で保有する一部DCのREIT(不動産投資信託)化に踏み切った。先行投資の急拡大に伴う負債が膨張を続ける中、一定の財務規律を維持しながら、投資を続けるためのスキームを生み出した形だ。

さらに、厚い財務基盤を擁するNTTがNTTデータグループを完全子会社化することで、今後、より一層の機動的な投資も期待される。NTTグループにとって最大級の成長領域の地位を獲得しつつあるDC事業は、新たな局面を迎えている。

巨額投資で有利子負債が急増

NTTグループのDC事業は、2010年代前半にNTTコミュニケーションズ(現・NTTドコモビジネス)が世界各地の現地企業を買収する形で徐々に拡大し、2022年の海外事業統合に伴ってNTTデータグループの傘下へと集約された。足元では世界第3位のDC事業者としての地位を築いている。

2020年代にはクラウド利用の普及に加えて、2022年秋のChatGPT公開を契機としたAI(人工知能)の開発競争が過熱。アメリカのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)、マイクロソフト、グーグルといったハイパースケーラー(巨大クラウド事業者)がコンピュータ資源を収容するためのDCの需要が急速に高まった。彼らの動向を踏まえて、NTTデータグループは北米、欧州、インド、東南アジアと、世界各地でハイパースケーラー向けDCを次々と整備している。

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