ケンミン「コロナ禍で直営レストラン売上激減」で始めた自販機事業が大ヒット→売上高3500万まで伸ばした背景にある「3つの商機」の正体

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食レポ失格な気もするが、逆に、それってすごいことな気がする。というか、なぜこのクオリティの冷凍食品を知らなかったのだろう。少なくとも、筆者が住む界隈のスーパーでは見たことがない。しかも、どうして自動販売機で販売を?

次々と疑問が浮かんできて止まらなくなり、ケンミン食品株式会社(以下、ケンミン)に取材を申し込んだ。

「やりましょう!」社長のひと言から、月商50万円に

ケンミンが焼ビーフンの冷凍自動販売機を設置したのは、2021年9月のこと。最初に設置した場所は、神戸市中央区にある本社前だ。

当時は、新型コロナの感染者数が少し下り坂になりはじめた時期だったが、本社1階で経営する中国料理店『健民ダイニング』は売り上げが激減。最もひどい時で、通常時の約2割に落ち込んでいた。そこで、「損失をいくらかでも補えれば」と、試験的にはじめたのが自動販売機事業だ。

非接触が推奨される世の中で、餃子の無人販売店が流行り、冷凍自動販売機も増えだしていた。それを見たケンミンの代表取締役社長 高村祐輝さんが、「うちも自動販売機やりましょう!」と突然言い出して決まったという。初期費用は、自動販売機の本体代金、約150万円だった。

ケンミンが最初に本社前に設置した自動販売機(左)。2023年に、グルテンフリーラーメンの自動販売機(右)も設置された(写真提供:ケンミン)

「自販機でビーフンがほんまに売れるんか?」

執行役員広報室長の田中国男さん(写真提供:ケンミン)

マーケティングを統括する、執行役員広報室長の田中国男さんは当初懐疑的だったという。ところが蓋を開けると、予想に反して「めちゃくちゃ」売れた。

月に約1000個が売れ、当時は単価が2個500円だったというから、単純計算で50万円を売り上げた計算になる。わずか3カ月で自販機購入費用が回収できたのだ。

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