10円駄菓子《ヤッターめん》"ダサいい"シール80種を徹夜で手描きする71歳社長。かつての漫画少年の夢は駄菓子という舞台で花開く

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
中野幹社長
ジャック製菓の中野幹社長(筆者撮影)
この記事の画像を見る(23枚)

1個10円、利益率20%未満。数字だけ見れば「成功」とは言いがたいジャック製菓のビジネス。前編では、究極の選択と集中ともいえる「これしかようせん」経営で、消費税導入、少子化、問屋の夜逃げによる1500万円の損失など、数々の困難を切り抜けてきたこれまでについて聞いた。

後編では、社長の中野幹さん(71歳)自らが描き、同社を象徴する存在となった「ダサいい」イラスト秘話と、量販店が扱えない『くじ付き駄菓子』のwin-winなビジネスモデルを明かしていただく。

「きれいすぎるデザイン」は駄菓子に合わない

唇型の「チュッチュグミ」、うんち型の「うんちくんグミ」、イカがピースサインする容器に入った魚のすり身の珍味菓子「イカすぜ!」。

ジャック製菓の駄菓子の企画、ネーミング、デザインは、すべて社長である中野さんが手がけている。商品を入れる箱や商品のフタのイラストも自身で描いている。

正直、ちょっとレトロでダサい。けれど存在感があって、なんだか面白い。実はその路線、狙って作っているそうだ。

「いろんなお菓子が並んでいる中から、うちのを選んでもらわんといかん。だから、パッと手にとってくれるものでないと」

チュッチュグミ
唇型の「チュッチュグミ」は、箱もインパクト大! 駄菓子屋では、この箱に入れて陳列している(筆者撮影)
次ページ「あえて」チープで、「あえて」ダサく
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事