10円駄菓子《ヤッターめん》"ダサいい"シール80種を徹夜で手描きする71歳社長。かつての漫画少年の夢は駄菓子という舞台で花開く

1個10円、利益率20%未満。数字だけ見れば「成功」とは言いがたいジャック製菓のビジネス。前編では、究極の選択と集中ともいえる「これしかようせん」経営で、消費税導入、少子化、問屋の夜逃げによる1500万円の損失など、数々の困難を切り抜けてきたこれまでについて聞いた。
後編では、社長の中野幹さん(71歳)自らが描き、同社を象徴する存在となった「ダサいい」イラスト秘話と、量販店が扱えない『くじ付き駄菓子』のwin-winなビジネスモデルを明かしていただく。
「きれいすぎるデザイン」は駄菓子に合わない
唇型の「チュッチュグミ」、うんち型の「うんちくんグミ」、イカがピースサインする容器に入った魚のすり身の珍味菓子「イカすぜ!」。
ジャック製菓の駄菓子の企画、ネーミング、デザインは、すべて社長である中野さんが手がけている。商品を入れる箱や商品のフタのイラストも自身で描いている。
正直、ちょっとレトロでダサい。けれど存在感があって、なんだか面白い。実はその路線、狙って作っているそうだ。
「いろんなお菓子が並んでいる中から、うちのを選んでもらわんといかん。だから、パッと手にとってくれるものでないと」

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