10円駄菓子《ヤッターめん》"ダサいい"シール80種を徹夜で手描きする71歳社長。かつての漫画少年の夢は駄菓子という舞台で花開く
けれど今、そこに変化が迫られている。量販店では、くじの代わりにどんな付加価値つけるのか。くじのような要素を残しつつ、面白さを喚起する形態を模索している。
フタの裏に「超大吉」から「大凶」まで、6段階のおみくじが付いた「おみくじ ヤッター!めん」もその1つ。イラストも、おなじみのキャラクターが神主さんっぽい帽子をかぶり、おみくじを持っている。

さらにもう1つ、時代に合わせたチャレンジとして、少し時間ができたコロナ禍のタイミングから、SNSもスタートした。LINEとインスタアカウント、公式サイトも作成。不定期で、ジャックや駄菓子に関する情報を発信している。
また、駄菓子文化を守るための活動もしている。岡山の菓子問屋を中心に、駄菓子に関わる35社が協賛する「DAGASHIで世界を笑顔にする会」に入っており、日本全国、まれに海外でも開催される「駄菓子と触れ合うイベント」をときどき手伝っているそうだ。

「これしかようせん」の先にあるもの
これまでにはなかった方向へ漕ぎ出しはじめたジャック。「これからのことは、若い人に任せている」と中野さんは何度も口にした。
「チープで子供が喜ぶお菓子であること。それだけ大事にしてくれたら、どんな方向に行ってもええ。とにかく面白い、ウケる商品つくってもらったらええねん」
ジャックの根幹にある、「子供たちにワクワクを届ける」という精神を、いかにして時代に合わせて変革させていくのか。大きな問いだ。
4代目がその答えを見つけ出すまで、中野さんの仕事はまだまだ終わらない。

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら