「キャンセルする理由はない」 それでも日本に来る中国エリートのホンネ。総資産10億円超え《超富裕層》の彼女が今も日本を選ぶワケとは
先月から日本でも中国でも、政治関連の話題で大騒ぎになっている。
団体旅行予約のキャンセルで困っていると発言するインバウンドビジネスをしている零細企業や、経営を心配する関係者が相次いでいる。筆者のところにも、今後の動向や心配の声がたくさん届いている。
一方、現在筆者は週2回程度、若い訪日中国人富裕層にインタビューしているが、彼らから日本旅行をキャンセルする知らせはほとんど来ていない。エリートの彼らは本来政治問題に敏感なはずだが、それでも日本に来ているのはなぜか。
今後の動向については要注意で、現在日中の政治関係だけではなく、日中ビジネスへの懸念も高まっている。
今回は、インバウンドンビジネスを考えるときに、そこまで重視されなかったカントリー・リスクを説明したうえで、今一度イバウンドというビジネスの原点に戻り、こんな状況でも日本に旅行に来る観光客のホンネを明らかにしたい。そこから、カントリー・リスクに影響をされず、顧客目線で競争力の高い商品・サービス開発につながるヒントを提示したい。
金融業界にいるとよく耳にする「カントリー・リスク」
金融業界にいると、カントリー・リスクという言葉をよく耳にする。株や債券を売買する際、投資する相手国で金融危機や政情不安が起こることで、取引価格が大きく変動するリスクだとよく言われている。
紛争や政権交代、急速なインフレや通貨の急落、ないし自然災害など、様々な原因が考えられる。カントリー・リスクが多いのは発展途上国だが、リーマンショックのようにアメリカのような先進国でも起こり、世界に大きく影響することもある。



















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