「キャンセルする理由はない」 それでも日本に来る中国エリートのホンネ。総資産10億円超え《超富裕層》の彼女が今も日本を選ぶワケとは
旅行の感想を聞くと、「日本はやっぱりいい。サービスとかではなく、美しい四季の風景は本当に最高」「人と人との距離がよく保っているので、騒がしい日常生活から離れて癒やしになる」「通訳(ガイド)と車があれば、どこにも行けるし、不便がない」「(中国のことが嫌いな人も)いるでしょうが、寄ってきたりしないので、女性でも安心できる」「円安とインフレは暮らしている人は大変だろうが、上海やシンガポールの物価に比べると安すぎる。同じ品質のもの・サービスを買おうとしたら、最低3~5倍はする」「けど、円安じゃなくても買うけどね」と教えてくれた。
2人から教わった「究極的な日本の魅力」
そうか。日本の魅力は、今までと変わらないのだ。世界のどこに行っても勝るところはない美しい風景、清潔で癒やしになる環境、安全な旅先、おまけに安い。何より、日本をいうと、「心から癒やされる」につながることだ。
マズローの欲求の5段階の最高段階にある自己実現欲求につながっている。安定した生活、健康的な交友関係、有能だと評価されるキャリアを満たした彼らは、自分らしくありたい、自己成長につながりたいという自己実現をしたくなる。
こうした教養も経済力も高い富裕層は、世界を舞台にして、自分の自己実現とつながる時間を増やしたいと考えている。日本にいると、風景からわかる日本人の自然に対する敬愛、茶道から体験できるわびさび、中国の文化につながる香道も、作法は美しく心まで「洗われる」。
または寺院の見学、見識の高い関係者から聞く歴史や文物のストーリー、一見素朴だが感動する千年を超えた物語……こうした目の保養(―美しい風景)や、心の保養(―自己実現)につながるコンテンツは、どんな時代になっても、エリートたちの心を奪う日本の本質である。
外国人観光客数は増加しつつあり、この業界に入るプレイヤーもどんどん増えている。また別途でご紹介したいが、商品・サービスも多様化している中、この「本質」をもっと深く感じてもらうコンテンツはまだまだ足りない。円安はインバウンド消費を促す決定要因ではない。観光客が本当に求めていることを把握し、質の高いコンテンツを開発することも期待される。どんなに不利な環境でも、こうした日本に来たい気持ちを誘うものは、きっと日本の長期的なインバウンド武器になるであろう。
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