〈最大330億円が外部流出〉KDDI子会社で浮上した"巨額架空取引"の実態…200超の企業を抱える巨大通信グループで露呈した「ガバナンスの抜け穴」
「グループ全体の信頼を揺るがしかねない重大事案と認識している。このような事案が生じ、未然に防げなかったことについて経営トップとして責任を痛感している」
通信大手のKDDIは2月6日、子会社で巨額の架空取引の疑いが確認されたと発表した。問題発覚に伴い、同日に予定されていた2025年度第3四半期決算の発表延期を決定。松田浩路社長は記者向けの説明会で冒頭のように述べ、謝罪した。
同社によれば、最大の見積もりで17~25年度の間に売上高約2460億円、営業利益約500億円が過大計上され、約330億円の資金が外部流出した可能性がある。外部の弁護士と公認会計士で構成する特別調査委員会で詳細な事実関係や原因の解明を進めており、3月末をめどに調査結果が公表される見通しだ。特別調査委の結論を踏まえて、確定した影響額を反映させた業績を発表する。
問題事業の取扱高は足元で急増
架空取引が発覚したのは、KDDIが17年に買収したビッグローブと、ビッグローブ子会社のジー・プランだ。
インターネット接続サービスなどを手がけるビッグローブはもともと、NECから分社化する形で誕生し、14年に国内のPEファンド・日本産業パートナーズの傘下に入った。その後にKDDIが約800億円で完全子会社化し、現在に至る。ジー・プランは、ポイント交換サービス「Gポイント」の運営を本業とし、11年にビッグローブの子会社化となった。
KDDIの発表によると、架空取引はジー・プランが17年ころから始めた広告代理事業において確認された。ネット広告への出稿を希望する広告主とWEB掲載媒体をつなぐ商流の中に入って広告枠を仲介するビジネスで、事業拡大に向けて、ジー・プランよりも取引先に対する与信力が高い親会社のビッグローブも22年度に参入したという。
不正が明らかになったきっかけは、この広告代理事業の取扱高が足元で急拡大していたことだった。



















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