〈横並びに異変〉ついに始まった「携帯料金値上げ」が浮き彫りにするキャリア4社の現在地 "官製値下げ"から4年、ドコモが口火を切るが…

シェア低下に苦しむドコモの方針転換
官製値下げから4年、ようやく押し寄せてきた「値上げ」の波は広がるのか――。
通信キャリア最大手のNTTドコモは6月5日、新たなプラン「ドコモMAX」と「ドコモmini」などの提供を始めた。ドコモMAXの月額料(データ利用量無制限)は税込8448円。従来展開していた大容量帯の「eximo(エクシモ)」(月額同7315円)と比べ、スポーツの動画配信サービス「DAZN(ダゾーン)」の利用などを盛り込み、1000円以上の値上げとなった。
昨年秋、価格を据え置いたままでデータ量を増加する「実質値下げ」で業界を驚かせたドコモ。携帯電話契約数でシェア低下が続く中、親会社NTTの島田明社長が「シェア35%維持」を必達目標に掲げ、同10月に自社の格安ブランド「ahamo(アハモ)」のプランを見直した。
が、競合キャリアも即座に追随し、競争優位性は早々に失われた。島田社長は「(他社が)ドコモから取れないと思うところまでやり続ける」と強気の姿勢を崩さず、今後の価格戦略が注目されていた。
半年の時を経てドコモが出した答えは、追加の値下げではなく、付加サービスを盛り込んだうえでの値上げだった。ドコモの齋藤武副社長は4月24日の会見で、「価値を入れ込んだプランにして、お客様にその価値を選んでいただく。料金とデータ量だけでない競争軸で訴求したい」と語った。
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