FRB新議長のウォーシュ氏はトランプ大統領の言う通り「大幅利下げ」するのか?強弱入り交じるアメリカのK字型経済に対し利下げ見通しも分かれる
2026年5月のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の任期満了を控える中、トランプ大統領は次期FRB議長として、ケビン・ウォーシュ氏を指名した。
ウォーシュ氏は金融機関での勤務を経て、ブッシュ(子)政権で経済担当特別補佐官・国家経済会議(NEC)事務局長を務め、その後06~11年には当時最年少でFRB理事を務めた。理事退任後はフーバー研究所やスタンフォード大学で客員研究員を務め、金融・政府・中央銀行・学術にまたがる経験を有する人物だ。
経験豊富なウォーシュ氏は、トランプ大統領からの信任も厚い。トランプ第1次政権の17年において、ウォーシュ氏はイエレン前FRB議長の後任の有力候補の1人だった。しかし、17年当時、最終的に指名されたのは、現在のFRB議長であるジェローム・パウエル氏だ。
パウエル氏が選ばれた背景には、当時の経済情勢がある。17年のアメリカは低インフレ・低成長時代にあり、イエレン前議長が進めてきたように、金融政策運営にも漸進的な正常化が求められていた。当時は、パウエル氏がイエレン前議長の運営におおむね沿って、緩やかなペースでの利上げやバランスシートの縮小(QT)を進めるとの姿勢を示していた。
トランプ氏の「大幅利下げ要求」とズレも
一方で、ウォーシュ氏はFRBの役割拡大に批判的で、利上げやバランスシート縮小を積極的に進めるとみられていた。当時の経済情勢とパウエル氏の政策スタンスが合致したことで、FRB議長として指名されたといえる。
パウエル議長を指名したのはトランプ大統領自身だが、現在はパウエル議長に対して強い不満を示している。トランプ大統領は25年1月の就任以降、大幅利下げを求めてきたが、FRBは25年上半期を中心に様子見を続けたことから、パウエル議長を“Mr. Too Late”と批判してきた。
そのため、パウエル議長の後任人事においても、トランプ大統領は利下げ派を指名すると述べている。トランプ大統領は、26年1月30日の指名発表時にも「ウォーシュ氏は利下げを望んでいる」と明言している。
他方で、ウォーシュ氏自身の足元の立場は、利下げは認めつつも、その前提としてバランスシート縮小を求めるものであり、無条件での大幅利下げを求めるトランプ氏とは条件設定に差異がある。



















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