市場が恐れるウォーシュFRB新議長の「爆弾政策」/トランプ大統領の順当な人選に安堵するも、アメリカ国債危機を招きかねない政策変更が浮上
5月に任期満了を迎えるアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の後任として、トランプ大統領がケビン・ウォーシュ元FRB理事を指名すると、市場に安堵が広がった。しかし、ウォーシュは2つの大きな金融政策課題に直面し、そのうちの1つにしかうまく対処できないと思われる。
ウォーシュは「AI時代のグリーンスパン」
1つ目の課題は、加速するAI(人工知能)革命だ。
AIはこのままいけば、物的労働生産性を大きく引き上げ、労働需要を減らすものとなる。賃金と物価のいずれに対しても引き下げ圧力となるトレンドだ。
アマゾンをはじめとする大企業はすでに人員削減を始めており、新卒者向けの求人も急速に減っている。これらは、社会に難題をもたらす反面、FRBにとっては経済を成長軌道に誘導しつつ、インフレ率を目標の2%まで引き下げる好機ともなる。
これまでの発言から判断すると、ウォーシュはパウエルより効果的にAI革命に対応できそうだ。データを基に動くパウエルの金融政策アプローチは基本的に現実後追い型だが、ウォーシュの立場は異なる。
かつてアラン・グリーンスパン議長が1990年代のインターネット革命によってもたらされる生産性の向上を見越して政策判断を行ったように、FRBは経済の構造変化を先回りするよう努めるべきだ、とウォーシュは主張しているからである。
このことは、ウォーシュの打ち出す金融政策スタンスがAIの生産性ブームを阻害しないものになることを示唆する。



















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