もはや高級品?創業171年の老舗も撤退「駅弁崩壊」の衝撃、食の工業化に抗う浜松駅 "1個250円から"の新形態「おに弁」が売れる理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
おに弁
弁当箱に見立てたおにぎりにおかずを盛り込んだ「おに弁」(筆者撮影)
この記事の画像を見る(7枚)

新幹線をはじめ、鉄道の旅の楽しみといえば駅弁だ。プライベートな旅行であれば、その土地の名物を詰め込んだ駅弁を味わいたいところだが、コロナ禍以前に駅弁業者を取材した際、意外にも「1000円以内の商品が最も売れる」と聞いたことがある。限られた出張手当の中から、食事代や宿泊費をやりくりしなければならず、駅弁に多くのお金をかけられないビジネスパーソンが少なくないのが実情だ。

廃業・撤退が相次ぐ駅弁業界の現状

一方で、コロナ禍によって旅行需要が激減し、駅弁業界が苦境に立たされたことも、まだ記憶に新しい。本社前の駐車場に仮設テントを設け、ドライブスルー形式で駅弁を販売したり、冷凍・冷蔵の駅弁を扱う通販サイトを立ち上げたりと、各社が生き残りをかけて工夫を重ねてきた。

しかし、そうした努力も空しく、2025年2月には創業171年の老舗「井筒屋」(滋賀県米原市)が飲食事業から撤退。さらに5月には、15年の九州駅弁グランプリで準優勝した「桜島灰干し弁当」で知られる「樹楽」(鹿児島県姶良市)が破産手続きの申し立てを行い、10月には伊東のソウルフード「いなり寿し」を販売していた「祇園」(静岡県伊東市)が廃業した。

販売スペース
コロナ禍で姫路市「まねき食品」が本社前に開設した、駅弁とえきそばの販売スペース(筆者撮影)

駅弁業界には、コロナ禍以前から逆風が吹いていた。列車の高速化による車内飲食の変化、車内販売サービスの縮小、駅構内への大手コンビニの進出。そこへコロナ禍による売り上げ激減と、その後の原材料費や人件費の高騰が追い打ちをかけ、多くの事業者が耐えきれなくなったのだ。

次ページ今や多くの駅弁が1000円超え
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事