Onシューズが日本人気を獲得した訳、「今まで"痛くないシューズ"はなかった」……素材でなく"構造"で「足が勝手に前へ転がる」世界特許の中身
都市の足元が静かに変わりつつある。通勤路でもカフェでも、オン(On)のシューズを履く人を見かける頻度は確実に増えている。
彼らの多くが口をそろえるのは、「軽い」「疲れにくい」「歩く量が自然と増えた」
という体感の変化だ。ただ履き心地が良いだけでは説明できない、“行動レベル”の変化が起きている。
この現象の背景には、創業者の切実な痛み、独創的な構造技術、そして“歩行そのものを変える”というブランド哲学がある。
では、オンというブランドは何を目指し、どのように日本で広がっていったのか。その核心を探るべく、オン・ジャパンでPRを担当する北井健人さんに話を聞いた。
創業の原点は「アスリートの痛み」
オンを創業したオリヴィエ・ベルンハルド氏は、元トライアスロン選手だ。過酷な競技生活の中で、慢性的な足の痛みに悩まされ続けていた。
「良いシューズは多い。しかし“痛くないシューズ”はなかった」
その違和感こそが、オンの出発点となった。ベルンハルド氏は、ホースを切り刻んでは靴底に貼り付けて走るという、手作業の試行錯誤を繰り返した。


















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