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北朝鮮が重要会議で2025年を総括、長期5カ年計画「完遂」を強弁? ロシア派兵に金正恩氏「名声を世界に馳せた!」と自賛【前編】

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2025年12月、朝鮮労働党中央委員会総会に出席した最高指導者の金正恩総書記(写真:AFP=時事)
北朝鮮では、年末恒例の重要政治行事である朝鮮労働党の中央委員会総会(正式名称は第8期第13回全員会議拡大会議)が2025年12月11日までの3日間、開かれた。会議中には金正恩(キム・ジョンウン)総書記が「結論」を述べた。
2025年の成果と問題点は何か。長年にわたって北朝鮮をウォッチしてきた元公安調査庁調査第二部長の坂井隆氏による独自の総括を、朝日新聞記者の箱田哲也氏が聞いた。その前編です(後編はこちら)。

北朝鮮版「地方創生」を強調

箱田:中央委総会が終わりました。坂井さんが最も注目したのはどの点ですか。

坂井:まずは経済分野ですね。金総書記は今年の成果を「総評は、加速化した前進速度、倍加された自活力」と述べ、「特に重要な成果」に、各地農村への住宅建設や毎年20の市・郡での各種消費財工場などの建設を柱とする地方振興政策の進展を挙げました。

箱田:2025年6月の記事で触れた「地方発展20×10政策」というやつですね。

坂井:はい。金総書記の強力なイニシアチブの下、今年から工場建設に並行する形で病院や総合奉仕所(複合文化・商業施設)の建設などがモデル地区で開始され、自ら各地建設対象への指導・訪問を繰り返してきました。

それだけに、アピールにも力が入るのでしょう。だから、金総書記の後押しもあって、これらの建設事業は華々しい成果を上げたと考えられます。

箱田:病院建設といいますが、北朝鮮ではどれぐらいの医療が受けられるのでしょうか。

坂井:死去が報じられる高位幹部には、かなり高齢の人が少なくないことから、最先端の部分では相当高い水準に達しているのだと思います。ただ、全体としては医薬品は「高麗薬」と言われる漢方薬に大きく依存するなど、先進国に比較すればかなり立ち遅れていることは間違いないでしょう。

また、医療格差問題は深刻で、とくに都市と地方の差は顕著なようです。前述の政策は、そうした状況が背景にあると思われます。

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