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〈94%が75%に〉任天堂のメレダンドリ氏再任の賛成率が急落、背景に「社外取締役に求める役割」への意識変化

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任天堂の吉川社長
古川俊太郎社長は2023年の定時株主総会で賛成率が83%台に下がったもの、昨年と今年は90%台前半を維持している(撮影:今井康一)

6月に新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」を発売し、世界中のファンを沸かせている任天堂。そのエンタメ業界の巨人が株主から難題を突きつけられている。

業績に及ぼすスイッチ2効果の期待が高まり、株価も上場来高値圏にあった6月27日、京都市内で定時株主総会が開かれた。総会に諮った取締役選任議案は9人全員が可決。古川俊太郎社長、ゼルダやマリオの生みの親として知られる宮本茂フェローなどが90%以上の賛成票を集めた。

その中で目立ったのがクリス・メレダンドリ氏の賛成率だ。2021年から社外取締役を務め、昨年までの賛成率は94~99%台だったのが、今年は75.87%にとどまった。

社外取締役の「独立性」を問われた

メレダンドリ氏は、映画製作会社イルミネーションのCEO。2007年に同社を設立、人気キャラクターの「ミニオン」などが登場する「怪盗グルー」シリーズを手がけた著名な映画プロデューサーである。

2023年に公開された「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」や来年4月公開予定の「スーパーマリオ」の新作アニメ映画は、イルミネーションと任天堂の共同制作で、メレダンドリ氏は宮本フェローと共同でプロデューサーを務めている。

2021年の株主総会では、宮本フェローが「映像のビジネスは配信を含めて変革期にあり、(ゲームの開発とは)違いもある。ハリウッドで長年の経験をお持ちの専門家としてのクリスさんのご意見を伺うことは、将来私たちの大きな助けになる」と話していた。

ではなぜ賛成率が急落したのか。

関係者によると、一部の国内機関投資家が問題視したのは、まさにメレダンドリ氏とイルミネーションが任天堂の映画制作に関わっている点だ。そのことが「独立性の基準を満たしていない」と判断されたとみられる。

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