有料会員限定

万博会場で空飛ぶクルマのために「風を可視化」したベンチャー・メトロウェザーが防衛機器の老舗企業・東京計器とタッグを組んだ理由

✎ 1〜 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 17
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
メトロウェザーのドップラー・ライダーは大阪・関西万博の会場の風を可視化していた(写真:メトロウェザー)

特集「防衛産業の熱波」の他の記事を読む

防衛費の拡大を背景に防衛市場が活況だ。関連企業の売上や利益は急伸し、株価は高騰している。現場でいま何が起きているのか。死角はないのか。特集「防衛産業の熱波 防衛費43兆円の狂騒」で最前線をリポートする。

大阪・関西万博の会場でも注目された「空飛ぶクルマ」。その飛行に欠かせないのが、風の状態の把握だ。万博会場の離着陸エリアにも、風を細かく可視化する「目」が設置されていた。ドップラー・ライダーという、京都大学発ベンチャーが開発した装置だ。

ベンチャーの名はメトロウェザー。その技術に今、防衛業界から熱い視線が注がれている。不審なドローンを検知する「目」として応用できるとみられているのだ。

10万円のドローンが戦車を破壊する時代

防衛・軍事の世界では、ドローンが「メインウェポン(主力兵器)」(自衛隊幹部)となりつつある。ウクライナ戦争の前線では、わずか10万円程度の自爆ドローンが10億円以上する戦車を破壊している。従来とは異なるそうした戦い方に対応できる防衛体制の整備が、各国で急務となっている。

もちろん日本も例外ではない。自衛隊の既存の装備では、ウクライナの前線で使われているような小さなドローンを見つけたり、敵かどうか判別したりするのは難しい。メトロウェザーの古本淳一社長は、その課題を自社の技術で解決し、防衛市場に参入しようと考えている。

次ページベンチャーの防衛業界参入に立ちはだかるハードル
関連記事
トピックボードAD