高市早苗首相は防衛力の抜本的強化を進める。2026年はその道筋を具体化させる年になりそうで、防衛のあり方が大きな転換点を迎えるかもしれない。
日本の防衛方針は「防衛3文書」(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)にまとめられている。現行の3文書は22年末に、岸田文雄政権がまとめた。27年度に防衛費を「GDP比2%」にまで引き上げる目標が盛り込まれている。長く「GDP比1%程度」とされてきた防衛費は、この3文書を起点に、過去3年で急拡大した経緯がある。
引き上げ時期を前倒し
高市氏はこの流れを加速させようとしている。首相就任後の所信表明演説で、防衛費の「GDP比2%」への引き上げ時期を、現行3文書が掲げる「27年度」から「25年度」へ前倒しすると明言。必要となる補正予算の案を臨時国会で成立させる構えだ。
さらに高市氏は3文書自体についても、当初想定よりも時期を前倒しして26年中に改定する意向を表明している。自民党は、改定に向けた政府への提言を26年春までにまとめるべく議論をスタートさせた。改定3文書には、防衛費のGDP比について、現行の2%を上回る新たな数値目標が盛り込まれる可能性がある。




















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