中国経済は2026年の上半期を中心に調整の1年となるだろう。
中国は、過去4年にわたって「サプライチェーンの完全化」「デジタル・新エネルギーの実装・導入」を目的とした工業の設備投資を推進してきた。ただ、それによる過当競争や利益率低下などで25年後半には景気サイクルの調整局面を迎えた。また少し遅れて、24年末から盛り上がっていた耐久消費財の買い替え促進政策の効果も一巡し始めた。
このように、前倒しされた内需の主導による景気拡大局面が全面的に調整に転向するのが、26年といえる。
輸出は新興国向けの拡大で順調
また、重いトランプ関税で失速するかに思われた輸出は、ふたを開けてみれば順調だった。下図のように、アメリカ向けの失速を上回る新興国向けの拡大で25年の輸出は前年比プラスで推移し、貿易黒字は実に1.2兆ドルに迫る勢いだ。

ただ、26年に関しては相手国の貿易赤字を急拡大させる形での輸出が全面的に続く状況ではなくなる。そのため、輸出による景気の下支えも弱まってくるとみられる。
以上を踏まえると、25年のGDP(国内総生産)成長率が前年比5%に迫るのに対して、26年は投資、消費、輸出のそれぞれが減速するため、同4%を下回る低調な成長になることが見込まれる。




















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