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高市政権で「働き方改革」は終わるのか? 労働時間規制の緩和には日本特有のハードルあり

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残業で疲れ切った様子の男性会社員
(写真:Luce/PIXTA)

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アメリカのトランプ大統領に振り回され続けた世界。片や、実力未知数の高市政権に運命を託す日本。2026年はより大きな混乱に見舞われるのか。本特集では国内外の政治・マクロ経済を大胆予測する。

高市早苗首相は、2025年10月21日の内閣発足とともに、上野賢一郎厚生労働相に対して、「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討」を指示した。

18年の働き方改革では、史上初めて時間外・休日労働の上限規制が導入された。原則月45時間以下、特別な事情があるときでも年間720時間以下であり、単月100時間未満という絶対上限値は労災保険における過労死認定基準の数字である。なお運転手や医師の規制はさらに緩い(年間960時間など)。これを緩和せよというのであれば、「過労死促進ではないか」という批判が出るのは当然だ。

管理職は罰ゲーム

一方で、働き方改革が行き過ぎて、若い社員に残業をさせないよう配慮するあまり、仕事に熟達できなくなったという批判も聞こえてくる。「ゆるい職場」というものだ。

これは、スキルのない若者に猛烈に仕事をさせることで仕事ができるように育てるという日本的なOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の風習との摩擦である。その基盤を働き方改革が揺るがしているという危惧が、“おじさん族”による「働きたい改革」唱道の根源にある。

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