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旅行自粛、水産物輸入停止…「日中対立」収束のカギ。現場が忖度し報復、中国側に妥協する動機なし

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握手する高市首相と習国家主席
日中関係は政治も経済も冷めた関係になった(写真:共同)

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アメリカのトランプ大統領に振り回され続けた世界。片や、実力未知数の高市政権に運命を託す日本。2026年はより大きな混乱に見舞われるのか。本特集では国内外の政治・マクロ経済を大胆予測する。

手の打ちようがない──。 これが日本側の本音だろう。

2025年11月7日に高市早苗首相が衆議院予算委員会で「台湾有事は存立危機事態になりうる」と答弁した。中国は反発し、自国民への訪日自粛要請や日本産水産物の輸入禁止、学術・文化交流の停止、日本関連の興行イベント中止など報復ラッシュを繰り出した。

中国は台湾が中国の一部であるとし、核心的利益と位置づける。もともと極右政治家と警戒してきた高市氏が台湾問題に言及すれば猛抗議せざるをえない。

高市答弁自体は日本政府の従来の立場を逸脱していない。台湾有事にアメリカが介入し中国が米軍に攻撃を仕掛けた際には、日本が存立危機事態と認定して集団的自衛権を行使する可能性があることは、15年に安全保障法制が成立したときから専門家が指摘しており、中国政府も理解していた。

ただ、具体的な事例に言及すると外交上の問題になるため、日本政府や歴代首相は個別事例を挙げて答弁することは避けてきた。高市氏も「今後は特定のケースを想定したことを国会で明言することは慎む」とし、「個別具体的な状況に即して政府がすべての情報を総合して判断する」と過去の政府答弁と同様のトーンに落とした。

しかし中国の怒りは続く。中国外交部の報道官はトーンを修正する高市氏の姿勢を「絶対に受け入れない」とし「撤回を求める」と繰り返す。各種報復も続いている。

現場が忖度し報復

中国には高市答弁が従来の立場を踏み越えたと捉えることで、日本の政策変更や社会分断を狙う思惑もあるだろう。ただ、今回の報復措置は、官僚や国有企業などが習近平国家主席ら最高指導部に忠誠や忖度(そんたく)を示すため行っているという色合いが濃い。

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