「約120万kl→約68万kl」しょうゆの国内消費激減で苦戦かと思いきや…キッコーマンが懐に忍ばせる需要確保の"切り札"

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海外で生産・販売されているキッコーマン商品の一部
海外市場で減塩しょうゆの需要が高まっているという(画像:キッコーマン提供)
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日本の食卓に欠かせないしょうゆ。変わらぬ定番の調味料と思われがちだが、業界を取り巻く環境は大きく変わっている。国内出荷量は長期にわたり減少が続く一方、海外市場は拡大。その中でひと際存在感を増しているのが減塩しょうゆだ。
こうした構造変化のなかで、業界最大手のキッコーマンはどのような戦略を描いているのか。本記事では、減塩しょうゆの誕生と進化を軸に、縮小する国内市場への対応と海外展開の方向性を探る。
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キッコーマン(1917年設立)の減塩しょうゆのルーツは1965年にさかのぼる。

東京大学医学部からの要請を受け、同社は入院患者の塩分摂取量を抑えるためのしょうゆ開発に着手した。

当時の日本では、高血圧などの生活習慣病への関心は高まりつつあったものの、減塩という考え方はまだ一般的ではなかった。単に塩分を減らすだけでは、しょうゆ本来の味わいが損なわれてしまう。求められたのは、「しょうゆらしいおいしさ」を保ったまま、塩分を大幅にカットするという難題だった。

キッコーマンが展開している減塩しょうゆ
キッコーマンが展開している減塩しょうゆ(画像:キッコーマン提供)

病院食として開発された「減塩しょうゆ」

何度も試作を重ねた末に誕生したのが「保健しょうゆ」。心臓病や腎臓疾患などで塩分摂取を制限されている人に向けて、通常のしょうゆと比べて塩分を約50%カットすることに成功した。

保健しょうゆ広告(画像:キッコーマン株式会社提供)
保健しょうゆのラベル(画像:キッコーマン提供)
保健しょうゆ広告
保健しょうゆ広告(画像:キッコーマン提供)

その結果、東京大学医学部附属病院をはじめ、都内の病院でつぎつぎと導入が進んだ。67年には商品名を「減塩しょうゆ」と名称変更するが、当初の主な用途はやはり病院食に限られていた。

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