カープの「球場メシ」は他球場と何が違うのか

三井物産系「エームサービス」が支える裏側

2009年4月にオープンしたマツダスタジアムは「球場フード」も先進的だ。初の公式戦を前にスタンドで歓声をあげるカープファン(写真:共同通信社)

ケンタッキーフライドチキン、サーティワンアイスクリーム、モスバーガー、ピザーラに築地銀だこ。プロ野球の球場に足を運べば、どれか1つはある「球場フード」の定番ブランドだ。だが、これらおなじみの店舗が1つも見当たらない球場もある。広島東洋カープの本拠地、マツダスタジアムである。

マツダスタジアムのフードメニューはバラエティに富んでいる。丼ものやめん類、定番の唐揚げなどのオーソドックスなおじさん御用達メニューから、ピザやピタパン、リゾットなどの小洒落たメニューや、クレープ、パフェといった、カープ女子や子どもたちに喜ばれそうなメニューが、聞いたことがないような名前のフード店舗で売られている。

他球場と一味違う! 広島カープの「球場フード」

なぜなのか。マツダスタジアムの場合、球場内のフード店舗はほぼ全店、大手総合商社・三井物産のグループ会社が手掛ける直営店だからだ。飲食店舗運営受託を行う、その会社の名称はエームサービス。メニュー開発から販売スタッフの採用、教育、店舗名の考案まですべてエームサービスが自前で行っている。

例外は旧広島市民球場時代の名物「カープうどん」と肉の串焼きの「はなおか」。この2店舗だけは、エームサービスから再委託を受ける形で出店している。

エームサービスは三井グループ各社が1976年に米国アラマーク社との合弁で設立。三井物産の新社屋が完成した際、三井物産の社員食堂の質を日本一にする目的で誕生している。

合弁相手の米国アラマーク社は、英国のコンパス社、フランスのソデッソ社と並び立つ、世界3大飲食施設運営会社の1つ。エームサービスは設立から早40年、社員食堂以外でも、病院や高齢者施設、大学などで多くの導入実績を上げている。国際的なスポーツ大会での受託経験も豊富で、長野五輪では選手村の食堂運営を受託している。

「球場フード」といえばプロ野球観戦を楽しむうえでかなり重要なアイテムだ。なのに、そのレベルは球場ごとにかなりの落差がある。店舗の数は多いのに、どの店も同じようなものばかり売っていて、バリエーションに欠けると感じたことがある人は少なくないだろう。

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